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塩分濃度の謎! |
Update 2007.03.02 |
塩分濃度とベイトの関係!
「何故シーバスは釣れるのか?」このテーマはルアーマンにとっては永遠の研究テーマですが、今回はフィールドにおける塩分濃度とシーバスのポイントがどのように関係しているのか考えてみたいと思います。
地元のフィールドには臼杵川(うすきがわ)と末広川、そして江無川(えむたがわ)の3つの河川が河口部で合流しており、今なお漁師さんが浜名湖のたきや漁のようにシーバスやチヌをモリで突いて採っているくらい魚影の濃いフィールドとして市外から多くのアングラーがやってきます。
河川にも塩分濃度の差がある!
それぞれの河川の特徴を述べると、臼杵川は三つの河川の中で最も大きく(といっても大河川ではありません)常に水量がたっぷりとあり、上の図のように川から流れ出る真水の量も多く、一雨降っただけでシーバスポイントが一夜にして野ゴイのポイントに入れ替わるほど変化が激しいという特徴があります。
他の二つの河川は水源の規模が小さく、比較的水深が浅く、真水の量が少ないので塩分濃度が臼杵川に比べても常に高い状況を作り出しています。
それでは、こうした状況でシーバスポイントを見いだすために何を真っ先に考えるかと言えば多くのアングラーがベイトの存在と答えることは間違いないでしょう。
この三つの河川が交わる河口域は塩分濃度の高いエリアと塩分濃度の低いエリアといった具合に二つに分けることができるのですが、どちらにベイトが溜まるのか考えてみると臼杵川が真水が多いのと環境の変化が激しいこともあってイワシやアジなどの淡水を好まないベイトはよほど晴天が長く続かない限り数多く河川内に入り込むことはありません。
その一方で塩分濃度の高い残りの二つの河川の場合は河川の規模に比較しても人家が多く富栄養化しやすいことでプランクトンの発生量が多く、淡水を好まないベイトも数多くこうしたプランクトンを追って川のなかに入り込んでおり、そうしたベイトのストック量が常に安定していることからシーバスやチヌの魚影が非常に濃いエリアになっています。
スーパーランカーは真水に耐える!
10数年前からこのエリアの魚影の濃さは保たれており、台風による激しい洪水によって以前よりは浅くなったもののウェーディングのしやすいエリアで人気スポットの一つとして多くのアングラーに大切にされてきました。
こうした塩分濃度が高くて環境の変化が少なくプランクトンの発生条件が整っている河川では遡上前の稚鮎なども溜まりやすくイワシやアジなどの淡水を好まないベイトに加えてイナッコなども溜まりやすいのでシーバスも比較的安定して狙えます。
それに対して臼杵川の場合は変化が激しいので夏場を除けば安定した釣果を得にくい面も確かにありますが、ボラやフグなどの比較的大きなベイトに恵めれており、確率は低いものの一発出れば95UPのランカーが出ることも珍しくありません。
そして更に最河口部に下ると面白い現象に遭遇できるのですが、潮位が高い状態の場合はルアーにアクションを加えてフッコやスズキ級のシーバスの数釣りが楽しめるのに対して潮位が低くなると今度は比較的大型のシーバスがヒットします。
この現象の原因を考えてみると、潮位が高いときには塩分濃度が高く、末広川や江無田川のような塩分濃度の条件が似通ったエリアのシーバスが最河口部と往来しやすいといった状況が考えられ、潮位が低くなると真水の部分が増えて塩分濃度が低くなるので臼杵川エリアのシーバスが降りて来るのではないかと推測されます。
塩分濃度というのは汽水への適応能力に長けたシーバスであってっも急激な変化には耐えられないので、臼杵川のように変化の激しい河川の場合は適応能力に長けた大型の個体が取り残されて留まるのでしょう。
上の図は具体的なポイントを指し示したものではありませんが、全国に同じような条件が整うポイントがあれば実績がなくても是非試してみる価値はあると思います。
シーバスの数釣りを楽しむのであればプランクトンの発生しやすいポイントを探すのが先決かもしれません。
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